兵庫の日本酒 カタヤマ酒店 『兵庫五国』飲み比べ

2022/04/09 08:55


兵庫県淡路の都美人昔ながらの山廃仕込で製造。『山廃仕込とは?』の話しに今回はなります。

日本酒の酛造りには「生酛(きもと)」と「速醸」がありますが、生酛造りから「山卸し」の作業を廃止した日本酒の造り方を「山廃仕込み」もしくは「山廃造り」と言います。

生酛造りとは酛(酒母)を作る際に空気中の乳酸菌を取り込む、昔ながらの日本酒の製造方法のことを言いますが、乳酸菌を発生しやすくする為に、櫂(棒のようなもの)で米をすり潰す作業を「山卸し」と言います。
山卸しは、とても重労働で手間がかかります。
その山卸しをやらない(廃止した)のが山廃造りになります。現在の酛造りの9割は、自然の乳酸菌でなく人工の乳酸を加える速醸酛造りと言われる製造方法が主流となっています。

「山廃仕込み」とは、昔ながらの伝統的酒造りである生酛造りの派生で、「山卸し」という面倒な作業を「廃止」した日本酒造りのことです。速醸造りと言われる日本酒は香りが立ちスッキリとした味わいとなります。

生酛造りの日本酒は時間と手間をかけ自然の微生物を利用し乳酸を生成させ酵母を増やしていく製法ですので、時間がかかる分旨みがゆっくりと乗っていくため深みのある味に仕上がります。

山廃仕込みは、生酛造りの山卸しの工程を省いているのでさらにゆっくりと時間をかけて乳酸菌を取り込んでおりますので濃醇な旨みをだすことが出来ます。

また、生酛系の生酛造りと、山廃仕込みは燗映えするとも言われておりますので燗にしてより楽しむことができると思います。